一般葬と家族葬の違い~家族葬が人気なのはなぜ?

「家族葬」ってよくききますけど、そもそもこれまでのお葬式、いわゆる「一般葬」と何が違うか知ってますか?

家族葬と一般葬の違いとは?

私もそうでしたが、「お葬式」といえば

白黒の幕を部屋の周りに飾り、

会ったこともない親戚や近所の人、故人の友人から「この度はご愁傷様でした」なんて言われて、お坊さんがお経を読んでみんなでご飯食べて…

翌日に火葬場にマイクロバスに乗って行って、遺体を火葬してからみんなでお骨を箸で拾って…

 

というイメージでした。

これはもう数十年前になりますが、私の曾祖母の葬儀に参列したときの記憶を書いてます。

 

これは「一般葬」と呼ばれる葬儀スタイルです。

いわゆる身内だけでなくご近所さんや地域の方、仕事関係者なども参列します。

以前はこのタイプのお葬式が一般的でした。

一般的だったのは、昔の日本ではお葬式というのが地域行事だったからです。もちろん、今でもその考え方が残る地域もあります。

つまり○○家の誰かが亡くなったという事は、

〇〇家だけの問題ではなく、〇〇家が所属する地域の問題だったということです。

 

そもそも神道では「死」を「穢れ」と考えるので、〇〇家から死者が出れば、

それは地域全体が穢れたことになる。

だから地域全体でこの穢れを取り払う儀式として、

お葬式を行ってきたというわけなのです。

(この辺の話は語りだすと脱線しまくるので、ここらへんでやめておきます。

興味がある方は調べてみてくださいね)

家族葬が増えてきた理由は?

とにかくそうした宗教的理由からもメジャーだった一般葬が減る一方で、近年増えてきたのが「家族葬」です。以前は密葬と言っていました。

 

密葬はその後に本葬、つまり一般葬を行うのが普通でした。

今でもそうですが著名人が亡くなった場合、家族などの身内だけでお葬式をしたあとに、

「お別れの会」というのをやってますよね。

 

これが密葬、本葬の流れです。

 

最近では密葬の「身内だけで故人を送る」というメリットが見直され、

家族葬として広く知られることになっていったのです。

 

先ほどの神道の話との関連でいうと、

お葬式を〇〇家個人の問題としてとらえる人が増えてきた、ということになります。

 

私もそうですが、

地元を離れて久しい人がいざ地元で親のお葬式の喪主をする、

という場合を考えたときに

地元のご近所付き合いってよくわからないですよね?

 

何十年前の記憶の中に残るご近所さんとの関係も、今ではおそらく変わっているでしょうし、

そもそも親の近所付き合いなんて全部は知らないんです。

 

もちろん、生前に親がそうした情報を教えてくれていたり

エンディングノートのような記録を残していたりすればわかるでしょう。

平均寿命からみる終活とエンディングノート〜何から始めたらいいの?

 

ですが、現実にはなかなかそういったことが出来ていないのです。

 

となれば、ご近所さんがお葬式に参列してくれても

喪主である自分からしたら「誰だっけ?」状態なのです。

今後参列してくれたご近所さんのお葬式に自分が参列しようにも

どうしていいかわからないし、相手も困るだろう。

 

だったら身近な親族だけでお葬式をする方が

自分も最期の別れに集中できる。

親も親でそうした状況を理解しているから

「親族だけで送ってほしい」と希望する。

 

このように見送る側、見送られる側の両方からも

「家族葬」というのが支持されているのではないでしょうか。

 

家族葬の方が安い?

ちなみに費用という観点からみると、どちらが安くお葬式ができるかというと・・・

一般葬の方が高い傾向にあります。

まあ予想通りですね・・・

 

規模によっては大きな斎場が必要でしょうし、

特に関東エリアだと通夜ぶるまいを参列者全員に用意しますから負担は大きいですね。

(関西では親族だけが食事をします。

地元を離れて暮らすと、こういうことがわからなくなりますね。)

 

ただし!

一般葬では香典という見積もりが出来ない収入があります。

(関西では通夜ぶるまいを親族のみにする分、香典を辞退することが多いようです)

香典返しも考慮に入れないといけませんが、収入には変わりありません。

家族葬では香典による収入が見込みにくいこともあり、

場合によっては家族葬も一般葬も費用は変わらないこともあります。

 

ですから、

「家族葬=安い」

ではありませんので注意を。

 

まとめ

家族葬は、「身近な人間関係だけで最期の別れに集中したい」と

願う人のニーズに合っているお葬式スタイルですね。

その上で安くお葬式が出来るなら言うことなしです。

 

私も家族葬を希望していますが、

これは私やあなた一人で決めてしまうと

後のトラブルにつながります。

 

エンディングノートなどを活用するのも手です。

他の方とも意見をすり合わせるなどして、

いざという時に、みんなが迷うことなく動けるようにしておきましょう。