
喪主の挨拶ってどんなことを話したらいいんだろう?
忌み言葉にも気を付けて、ちゃんと考えないといけないし・・・
実際、喪主としての経験がない方がほとんどですから、「何を話したらいいの?」「言ってはいけない言葉はあるの?」などなど、わからないことがたくさんあると思います。
そこで、この記事では実際に使える挨拶例文をいくつかまとめました。
喪主の挨拶はいつするのか?
喪主の挨拶が必要になる場面はいくつかあります。
①弔問客に対して
②通夜終了時
③通夜振舞いの開始・終了時
④告別式の終了時
⑤精進落としの開始・終了時
これらの場面ごとに解説する前に、いくつか知っておくべきことを書いておきます。
挨拶は手短に
挨拶は手短に1分~3分程度にまとめるようにしましょう。
あっさりしすぎても「素っ気ない」ですし、長すぎると聞いている側もしんどくなります。
別に綺麗な言葉でまとめる必要はありません。
詳細は後ほどまとめていきますが、挨拶に盛り込む内容は次の5つです。
1. 喪主の自己紹介(故人との関係を、簡単に紹介)
2. 弔問へのお礼(参列への感謝の気持ち)
3. 生前のお礼(故人へのお見舞いなど、生前の厚意に対する感謝の気持ち)
4. 故人の人となりが分かるようなエピソードを簡単に紹介
5. 今後に向けて、家族への力添えのお願い
はっきり言いまして、4.の「故人のエピソード」以外は、ほとんど定型文でも問題ないでしょう。
変にオリジナリティを出さなくても、故人のエピソードがあればそれで充分オリジナルです。
あと、挨拶の内容を暗記することにこだわる必要はありません。
無理をせず、原稿を読みながら挨拶しても失礼にあたりませんから、安心してください。
忌み言葉について

「忌み言葉」ってどんなものがあるの?
冠婚葬祭で外せないのが「忌み言葉」です。
特に弔事ですから、きちんと理解しておかないと失礼にあたります。
いくつか例を挙げておきます。
不幸なことを連想するような言葉、直接的に生死にかかわる言葉
不幸を連想する言葉は言い換えるか、そもそも使わないようにしましょう。(横にスクロールできます)
忌み言葉 | 連想される言葉 | 言い換え例 |
数字の「四」「九」 | 死、苦 | 四は「よ」、九は「ここのつ」 |
行く | 逝く | 赴く |
浮かばれない、迷う | 成仏できない | 使わないようにする |
句読点「、」「。」 | 句読点は「区切り」の意味 | 使わないようにする |
死ぬ | ずばりそのもの | 亡くなる、逝去 |
生きていたころ | ずばりそのもの | 生前 |
ご多忙 | 「忙」に「亡」という字がある | ご多用 |
重ね言葉(「不幸が重なる」につながる)
重ね言葉は、別の言葉に言い換えるようにしましょう。
忌み言葉 | 言い換え例 |
ますます | より一層、一段と、末永く |
また | いま一度 |
またまた | 引き続き |
もともと | 元来 |
わざわざ | ありがたく |
次々と | 順番に |
いろいろ | 多くの |
宗教に関係する言葉
つい使ってしまいがちですが、実は宗教や宗派によっては避けるべき言葉もあります。
日本では多くが仏式のお葬式を行いますから、仏教用語についてまとめます。
神道、キリスト教のお葬式に参列する際は注意してください。
忌み言葉 | 言い換え |
冥福を祈る | 哀悼の意を表します、安らかなお眠りをお祈り申し上げます |
往生、供養、成仏 | 使わないようにする |
ただし、浄土真宗についても「冥福」とは言いませんので、言い換えるようにしましょう。
シーン別の喪主の挨拶
それぞれの場面ごとの挨拶の例文をまとめました。
通夜
通夜振舞いの前後に挨拶を求められます。
通夜振舞いは1~2時間程度が一般的です。
終了の挨拶は、頃合いを見計らって喪主(または世話役)が行います。
通夜振舞い前の挨拶例文
本日は、ご多用にもかかわらず、亡き父○○のために、お通夜にご参列くださいまして誠にありがとうございます。
○○もこのように皆様に見守られまして、喜んでいることと存じます。
(ここで故人のエピソードを簡単に話してもOK)
明日の葬儀は○○時からとなっておりますので、よろしくお願いいたします。
ささやかではございますが、別室に粗茶を用意しております。
どうぞ召しあがりながら、お時間の許す限り父の在りし日の思い出話などを、お聞かせいただければと思います。
今日は本当にありがとうございました。
通夜振舞い終了の挨拶例文
皆様、本日はご多用のところ、父の通夜にご参列くださいまして誠にありがとうございました。
おかげをもちまして、とどこおりなく通夜を無事すませることができました。
私たち親族も知らない父の一面や、偲ぶお話しをお聞かせいただき、ありがとうございます。
皆様に大変親しくお付き合いいただいたこと、改めてお礼申し上げます。
まだまだ、父を偲んで頂きたいところでございますが、夜も更けてまいりましたので、本日はお開きとさせていただきます。
なお、明日の葬儀・告別式は○○時より当斎場にて予定しておりますので、お時間が許すようでしたらお見送り頂ければと存じます。
本日はありがとうございました。
告別式
告別式では何度か挨拶のタイミングがありますので、一つずつ見ていきましょう。
受付
受付の際、参列者からの挨拶に対して喪主側からも挨拶します。
ここでは簡単にお礼を伝えるだけでよいでしょう。
「ご丁寧に恐れ入ります」
「故人も喜んでいることと思います」
「ご多用の中ありがとうございます」
出棺前
遺族を代表いたしまして、皆さまに一言挨拶を申し上げます。
私は故人の長男の○○でございます。
本日はご多用にもかかわらず、亡き父の葬儀にご会葬くださいまして、誠にありがとうございます。
おかげをもちまして、昨日の通夜、そして本日の告別式を滞りなく執り行うことができました。
故人もさぞかし皆さまに感謝していることと存じます。
(故人とのエピソードなどを簡潔に)
父が晩年穏やかに過ごすことが出来ましたのも、ひとえに皆様方のご厚情のたまものと深く感謝いたしております。
故人の生前と同様に、皆様のお力添えをいただければ幸いに存じます。
本日は誠にありがとうございました。
精進落とし
告別式が終わった後、もしくは初七日法要が終わった後に料理(精進落とし)を振舞います。
精進落としの最初の挨拶例文
皆様、本日は誠にありがとうございました。
皆様のお力添えにより、告別式(初七日法要)を無事終えることができました。
改めてお礼申し上げます。
ささやかではございますが、精進落としの膳を用意しましたので、お時間の許す限り、おくつろぎください。
本日はありがとうございました。
精進落としの終わりの挨拶例文
本日は、亡き父のためにお心遣いをいただき、誠にありがとうございました。
まだごゆっくりしていただきたいところですが、お時間となりましたので、この辺りでお開きにさせていただきたいと思います。
何かと行き届かない点がございましたこと、お詫び申し上げます。
今後とも、遺された家族みんなで助け合っていきたいと思いますので、どうぞ変わらぬご支援のほど、よろしくお願い申し上げます。
本日は、誠にありがとうございました。
まとめ
シーン別の喪主の挨拶についてまとめました。
喪主としての挨拶なんて、人生のうちにそうそうあるものではありませんから、かなり緊張するものです。
参列者の方もそれを理解しているから、多少のミスなら多めに見てもらえます。
大切なのは感謝の気持ちを伝えることですが、無理に飾ったりしないで、ゆっくりと落ち着いて、自分の言葉で話すようにすれば大丈夫です。
もし、どうしても挨拶文を考える時間がない、もしくは喪主の代行を依頼したい場合は、喪主(挨拶)代行サービスを利用できます。
参考にしてみてください。