孤独死の対策のカギは、終活とエンディングノート!?

知っておきたい

ここ数年「孤独死」という言葉をよく聞くようになりました。

定義としては、一人暮らしをする方が、誰にも看取られずに亡くなってしまうことです。

そして近年、孤独死する高齢者が増えてきています。

 

もちろん、昔から孤独死とよばれるものはありました。

それが現代では、社会問題になるほど増えてきているのです。

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孤独死が増えた原因は?

なぜ孤独死が増えてきたのでしょうか?

いくつか理由が考えられるので一つずつ見ていきましょう。

ご近所づきあいが希薄になってきた

ご近所付き合いって、悪く言うと地域から見られている感じがするのは

私だけでしょうか? 正直言って、私はご近所付き合いは苦手です。

 

ですが、この地域からの目があるということのメリットとして、

「何かあったときにすぐにみんなが気づいてくれる」

ということがあります。

 

毎朝7時くらいにあなたの家の近くをジョギングしている、

一人暮らしのおじいさんがいたとしましょう。

そんないつも元気なおじいさんが、ここ2週間ほどジョギングしている姿を見かけていない・・・

あれっと思っていたときに、

たまたま通りかかったおじいさんの家のポストに、新聞が溜まっていたら

「何かあったんじゃないか」と気づくことができますよね。

そういったご近所付き合いが無くなってしまっているのです。

特に都会だとマンション暮らしの方も多いでしょう。

引っ越しの挨拶がなかったら、自分の隣の部屋に誰が住んでいるのか、

というより隣に人は住んでいるのかすらわからない、

というのも良くある話です。

 

私自身も思い出すと、独身時代に住んでいたマンションで、

他の住人のことは何も分かりませんでした。

極端な話、誰か孤独死していたかもしれないけど自分は知らずに済んだだけ・・・

なのかもしれないのです。

家の性能が高くなった

2つ目の理由は、家屋の性能がよくなったことです。

昔の日本の家の性能もポイントです。

私の祖母の家など、すきま風がどこからか入ってきていました。

つまり、気密性の点で昔の家は難がありました。

しかし、そのことによるメリットもあります。

 

もし孤独死が発生してしまったとしても、

しばらくしたら遺体からの腐敗臭が外へ漏れてくるので、

「何か○○さん家から変な臭いがする」と気づくことが出来ました。

ところが、今の家は昔に比べて断熱性・気密性がかなり強化されています。

結果として腐敗臭も漏れてきにくいために、死後しばらくしても誰も気づかない、

ということがザラにあります。

 

しかも地域との交流があまりないような方だと、なおさら発見が遅れてしまうのです。

 

孤独死はみんなが不幸になってしまいます

孤独死が増えてきた原因は先ほど述べましたが、

ここでは孤独死がいかに辛いものか、という話をしていきます。

孤独死の現場は、トラウマになるほど悲惨

孤独死の現場、というのは悲惨な状況になっていることが多いです。

 

人間の体は、死後どんどん傷んでいきます。

先ほど腐敗臭の話をしましたが、まず血流が止まって全身が赤紫色になっていきます。

死後半日もすれば、死後硬直といって全身がカチカチに固まっていき、

そうこうしているうちに、自分の体内の酵素などで分解が始まり、

腐敗が進んでいきます。

 

体液が体の穴から漏れ出し、ウジが涌いて腐敗臭も激しくなって目も当てられない状態に・・・

書いているだけでもゾッとするような状況になってしまいます。

実際に孤独死の現場はどのようになっているのか?
気になる方もいると思いますが、あまり見ないほうが良いですよ。

※以前はリアルな現場を掲載したサイトもありましたが、なかなかにショッキングでした。

検索される際は十分ご注意を。

 

大切な家族が亡くなった、それだけでも辛いことなのに

その大切な体が原型を無くして目も当てられない状態になっている・・・

こんな悲惨なことありませんよね。

遺族にとって、大きな心の傷になります。

 

問題はこれだけではありません。

特殊清掃は高額です

こういった孤独死の現場を清掃しようと思ったら、普通のハウスクリーニングでは不可能です。

そこで「特殊清掃」と呼ばれる業者に依頼するのですが、

この費用が高額です。

数万円から50万円程度、しかも現場の状況によってはさらに高額になります。

 

清掃するのは

・腐敗臭の除去

・体液等の汚物処理

・ウジ、ハエなどの害虫駆除

・廃棄処理

です。

体液などはそのまま下水に流すことはできません。

 

例えばマンションの一室で孤独死が発生した場合、

部屋のリフォーム工事費用300万円を請求されたというケースも・・・

 

もちろん、孤独死した周辺の部屋の方にも被害が及びます。

「虫が異常に湧くようになった」「悪臭に耐えられず退去したい」

 

・・・全員が不幸になってしまいます。

孤独死を防ぐための取り組み

もちろん、こうした状況を改善しようと各自治体あるいはマンションや企業ごとに対策がとられつつあります。

 

「見回り隊」を設置して週に何度か家を訪ねるサービスもあれば、

有料無料問わず高齢者サロンをつくることで、高齢者同士の交流を増やそうとするものも。

私が以前行ったことのあるイオンモールでは、高齢者専用サロンがモール内につくられていました。

その中のサービスの一つに「もしもの場合に、スタッフがすぐに家族と連絡をする」という内容が書かれていました。家族の方にしたらありがたいサービスですよね。

年齢が高くなるほど外部とのコミュニケーションがとりにくくなりますし、

迅速な対応が難しくなります。ですからこういったサービスが増えてきつつあることはとても良いことだと思います。

 

ですが、いくらこうしたサービスがあるからといって、

常に安全が確認できるわけではありません。「週に1回見回りにきてくれるから安心だ」と言い切れませんよね。

それに私のような人付き合いが苦手な人間にしてみたら、こういったサロンの人間関係にストレスを感じてしまいます。

かといってずっとそばにいられるわけでもない、という状況の方はどうしたらいいのでしょうか。

もしもの場合に備えておく

身も蓋もない言い方ですが、

私は完全に孤独死を防ぐ方法はないと考えます。

なので「もしもの事」が起きた時に、残される人が困らないように準備をするようにしています。

最近ではこうした準備のことを

「終活」と言いますね。

いきなりですが、あなたは何か保険に入っていますか?

生命保険やがん保険などいろいろ種類はありますが、

保険に入る理由は「もしもの時のための備え」ですよね。

一生何の保険にも入らず生きていこうというのは、かなりリスクだと考える方は多いでしょう。

 

同じように、孤独死についても考えて備えておくべきではないでしょうか?

「もしもの時」はいつ来るか分かりません。

 

この記事を読んでいるあなたは

「今は元気だからまだ大丈夫だよ」と思うかもしれませんが、

そうやって結局何もすることなく人生を終えてしまう方が非常に多いのです。

 

私は、元気な時にこそ準備を進めるべきだと考えます。

何でもそうですが、体力的・精神的に弱っているときに考え事をすると、「〇〇にならないためには▲▲すれば良い」というポジティブな発想が出来なくなります。

「終活」とは決してネガティブなものではなく、むしろあなたや周りの人を救うカギになるものです

終活って何からやったらいいの?

このサイトはお葬式の準備について書いていますが、

終活はそれだけではありません。

 

詳しくは平均寿命からみる終活とエンディングノート~何から始めたらいいの?

でも書きましたが、残される方への思いやりという意識で行うことが大切です。

 

「私は○○してほしい、△△してほしい。あとはよろしく」だけでは遺族の方が困ります。

私はエンディングノートを利用するのをおススメしていますが、

ただご自身の希望や想いだけを記入して終わってしまうのはもったいないと思います。

普段は面と向かって伝えられない家族への想いをエンディングノートに書く・・・

確かにロマンチックで悪くはないです。というより、とっても良いことだと思います。

ですが、実際に残される方にしてみたら、あなたの愛読書は処分しても良いのか?

あなたの趣味のコレクションは保存しておくのか、処分して良いのか?

そういう内容の方が知りたいわけです。

亡くなった後にエンディングノートを読んで、遺族の方がどうすべきかを知ることが出来るのがベストです。

 

終活は定期的に行うもの

そして終活は1回やったらそれでおしまいではなく、定期的に更新していくものです。

保険でも、一度入ったらそれで終わりではなく、見直すことが大切ですよね?

 

もちろん、何日後に見直さないといけないという決まりはありません。

ですから例えば毎年自分の誕生日に見直そう、でも良いでしょう。

 

自分の把握している貯金や借金(これがかなり重要!遺産相続の際にトラブルになります)、

所有物の保管・処分方法など、前にエンディングノートに書いた時と考えが変わっていることもあるはず。

 

あと忘れがちですが、

エンディングノートの存在はきちんと周りの方に伝えておいてください。

後から見つかっても対応に困る場合があります。

まとめ

終活にはエンディングノートを使ってみてください。使い方は

平均寿命からみる終活とエンディングノート~何から始めたらいいの?

を参考にしてみてください。

 

私もやってみてわかりましたが、

「残される家族のため」と言いながら、実は自分のためにもなります。

 

終活とは、自分の生きた証を確認していくことにつながるからです。

最初は面倒くさいと思うかもしれませんが、やっていくと案外楽しいものです。

ここまで読んでくれたあなたには、ぜひ今日から終活を始めてほしいと思います。