平均寿命からみる終活とエンディングノート~何から始めたらいいの?

知っておきたい

最近、「終活」という言葉をよく耳にしませんか?

 

さまざまな意味はあるのでしょうが、

残された家族が後で困らないように、生前から身の回りの整理などをはじめることを言います。

終活とは愛情表現である

どういうことか?と思われるかもしれません。

これ、私も含めた男性に特にやっていただきたいことなのです。

 

たとえば一切終活などせずに「俺が死んだあとはお前たちに任せる」

なんてやった場合、あるいは自分亡き後のことを

誰にも何も言わなかった場合、

残された家族はどう感じると思いますか?

ハッキリ言って、ものすご〜く悩みます。

たとえ立派なお葬式をしたとしても「あの人はこれで良かったのかしら」

たとえ立派なお墓を建てても「あの人はこれで良かったのかしら」

 

・・・悩みは尽きないわけです。

さらに親戚などから

「あの人なら〇〇した方が良いんじゃない」

とか提案されたりして、ますます悩む・・・

 

あなたはただ逝ってしまうだけですが、

その後始末を全部残された家族に丸投げしてしまったら、その負担は相当なものです。

「何で色々決めてくれなかったんだ!」

そんな大変な思いをさせないためにも

自分の後始末は自分でつけませんか?

 

生前どれだけ立派な夫であり父であったとしても、

いや、むしろそうであるからこそ

遺族は悩みます。

あなたの写った写真一枚を捨てるべきか残すべきか、

それだけのことで悩むんです。

しかも、答えの出ない悩みです。

 

そんな愛する家族の悩みを解決できるのは、あなたの決断と行動です。

「いや、まだ俺には終活なんてまだ早いよ。」

という方がほとんどだと思います。だからこそ、若くて元気な今のうちに

終活していきませんか?

といっても、いきなり家中の写真を見返そうというのは大変すぎますね。

 

もっと簡単なことから始めましょう。

たとえば、あなたの愛読書をどう始末するかを考える、ということからやってみてください。

遺族が安心できるように・・・

先ほど、故人の思い出の品の処分に遺族が悩むという話をしましたが、

さらに大きな悩みの種が「遺産相続問題」です。

「後のことはお前たちで頼む」なんて言いながら亡くなってしまったら、

残された者たちはとても困ります。

 

自分に遺産を相続する権利があるとわかったら、やはり欲しくなってしまうもの。

その取り分を巡って、葬儀の前ではあんなに仲の良かった遺族らが

お葬式が終わってからは口も聞かなくなってしまった、というのはよくある話です。

 

ややこしいのが、この遺産が「プラスの遺産」なのか「マイナスの遺産なのか」ということです。

実は借金があったのに、それを誰にも知らせないまま亡くなったら、

その借金も遺産相続人に引き継がれてしまうんです。

 

相続した人にしたら、いい迷惑ですよね。

「せめていくら借金があったかぐらいは教えてくれよ・・・

それだったら遺産の相続放棄もできたのに・・・」

終活は愛情表現ということは、残された者の負担を軽くすることです。

あなたの最期を看取るのはだれ?

男性に取り組んでほしいと言ったもう一つの理由は、

というよりこっちが大きいかもしれませんが、

男女の平均寿命の差です。

 

ご存知のように、日本は世界でもトップレベルの長寿国です。

ですが、男性と女性ではその平均寿命に差があります。

 

2017年時点のデータによると、

男性81.09歳に対し、女性は87.26歳。

約6年も差があります。

しかもこの差は今後さらに広がるという予測もされています。

 

ということは・・・?

女性が男性の最期を看取る可能性が高いということになります。

あなたの最期を看取るのが奥様になる可能性が高いということですね。

そこで問題になってくるのが事務手続きの多さです。

死亡届(7日以内)はもちろん、健康保険、年金の資格喪失届(14日以内)など期限がある手続きがたくさんあります。愛する人を喪った悲しみに暮れる間もないくらい、あっという間に過ぎてしまいます。

それに加え、例えば家・土地などの名義は一般的に男性である場合が多いですよね。

これらの名義変更の手続きなども加わるので、男性に比べ女性のほうが多くなる傾向にあるのです。

 

ただ、死亡届の提出は葬儀社が代行してくれることが多いです。

とはいえ、そのほかすべての事務手続きを代行してくれるかは葬儀社次第でしょう。

中には葬儀社が、遺族に必要な事務手続きを提示してくれなければ気づかない可能性だってあります。

 

男性のみなさん、愛する妻があなたを喪った哀しみに暮れながら

必死でこうした手続きをしている姿を想像してください。

あなたが生前に面倒な手続きを減らしてあげることも立派な終活であり、愛情表現だと思いませんか?

エンディングノートを活用しよう!

そこで最近注目されているのが、

「エンディングノート」です。

 

私は最初、単に「遺言書の言い換えか?」と思っていたのですが、

そんなことはありませんでした。

ちなみに法的に遺言書のような強制力はなく、あくまで書いた人の希望が記されているという感じです。

でも、これがあるとないとでは大きな違いです。

 

お葬式について、お墓について、だけではなく

財産の行方、愛読書の処分など、残される家族が困らないように備えるためのものです。

 

今後病気で正常な判断や意思疎通が出来なくなる可能性も考えなければなりません。

その時にエンディングノートがあれば本人も家族も助かります。

 

エンディングノートは文具店でも売られていますし、中には自治体が配布しているものもあるので

見たり聞いた事がある方も多いと思います。

 

「自分はまだ大丈夫だよ」

と思っているかもしれませんが、いつ何があるかわかりません。

というより、まだ余裕のあるうちに始めるのがベストです。

 

もし少しでも興味がわいたなら、エンディングノートを書き始めてみると良いでしょう。

では、実際にエンディングノートには何を書いていったらいいのでしょうか?

1.基本情報

基本情報として、以下の項目があります。

・名前

・生年月日

・血液型

・住所

・本籍

・家族構成(わかる範囲で、親戚関係も書いておくとよい)

・親族、親しい友人の名前と連絡先

 

名前なんて要るの?と思うかもしれませんが、意外と重要です。

何故なら、書いてるあなたがいつまでも健康とは限らないからです。

年齢を重ねるにつれて記憶力は衰えますし、認知症のリスクもあります。

名前や住所などの基本的な情報があることで、自身の備忘録にも使えます。

 

他にも理由があります。

名前を書いてないと、他の人が見たときに、誰のエンディングノートか分からなくなる可能性もあります。

残される家族が困らないようにつくったはずのエンディングノートが、

逆に家族を困らせてしまうようでは意味がありません。

あなたがエンディングノートを書いた意味を明確に伝えるためにも、

基本情報はきちんと書きましょう。

 

連絡先リストは、訃報を伝えるときに役立ちます。

訃報を真っ先に伝えてほしい人、とりあえず連絡だけしてほしい人なども区別しておくと助かりますね。

その他の情報について

基本的な情報以外にも、知っておいてもらうほうが良い情報も書いておきましょう。

・趣味、特技

・好きな食べ物・嫌いな食べ物

・アレルギー

・持病の有無

・常備薬の有無

・かかりつけの病院の連絡先・担当医

・延命治療の希望

・臓器提供の希望

 

あなたが家族と離れて単身で暮らしている場合、

詳しい健康状態や通院履歴などがわからないことがよくあります。

そんな場合でも、エンディングノートに記載があれば対応も可能です。

 

また延命治療や臓器提供の選択を迫られる状況でも、

あなたがハッキリとどうしたいかを意思表示してくれたなら、

家族の決断の後押しになります。

こういった決断は、

後から「これで良かったのか」と家族を悩ませないためにも、ぜひ明確にしておきましょう。

ペットはどうする?

あなたが飼っているペット、もしお世話が出来なくなった場合のことを考えていますか?

当たり前ですが、ペットは何も教えてくれません。

ですから、きちんと以下の内容は書いておくと良いでしょう。

・ペットの名前

・ペットの年齢

・ペットの種類

・ペットの好物

・ペットのかかりつけ医

資産、支払いに関する情報

例えばこんな情報です。

・口座名

・通帳、印鑑の保管場所

・保有しているクレジットカード

・保有株式情報

・加入している保険

・保険証券の保管場所

借金の額と借入先、毎月の返済金額と完済見込み

・公共料金含めて各種固定費の支払方法(例えば水道代は口座振替など)

 

注意してほしいのは、

口座やクレジットカードの暗証番号を書かない」ことです。

 

エンディングノートを紛失したときのことを考えると、

あなたの情報を何から何までバラしてしまうのは危険すぎます。

暗証番号は、あらかじめ家族と共有しておく方がよいでしょう。

そしてもう一つ。

借金があるなら、正直に書いておきましょう。

この借金というのは、相続問題の中でもかなり多くの割合をしめています。

 

「遺産の相続放棄の申請期間を過ぎたあとに、多額の借金が判明した」

なんてことがあるわけです。

借金しているなんて恥ずかしくて・・・なんて言ってる場合じゃありません。

 

遺族が後で困らないように、できることはきちんとやっておきましょう。

自分が死んだ後について

・葬式の希望

・納骨の希望(希望するなら、納骨する霊園の名前、住所、連絡先)

・菩提寺の有無

・遺言書の有無(あればその種類)

 

「直葬」がいいのか、「一般葬」がいいのか。

参列者を限定するなら誰に参列してほしいか、などを書きましょう。

納骨についてですが、最近では、様々な納骨(散骨)方法が知られるようになりました。

樹木葬もその一つですね。

試しに私のスマホで「樹木」と打つと、予測変換の2番目に樹木葬って出てくるくらい、メジャーになっているみたいです。

そんな樹木葬を希望するなら、エンディングノートに書いておくと良いでしょう。

 

ただし、直葬をしたいとか樹木葬をしたい等の希望があっても、

菩提寺がある場合は、葬式や納骨の形式に制限があります。

事前に菩提寺に連絡をしないと、戒名の授与や納骨を拒否される、

というトラブルが多数報告されています。

 

菩提寺がある方、周りの方はそのことを知っていますか?

忘れず記入してください。

遺言書の種類?

これについては少し説明が必要ですね。

まず遺言書とエンディングノートの大きな違いは、

「法的強制力」があるかないか、

です。

これまでエンディングノートの説明の中で「希望」という言葉を何度か使ってきました。

それは、エンディングノートはいくらちゃんと書いても「書いた人の希望」であって、「絶対に書いた通りにしないといけない」わけではないからです。

 

一方で遺言書には、法的強制力があります。

そんな強制力のあるものですから、きちんとした書き方、方式が決まっています。

遺言書はその方式によって大きく2つに分けられます。それが、

・普通方式遺言

・特別方式遺言

の2つです。

 

では、普通方式遺言から詳しくみていきましょう。3つに別れています。

普通方式①自筆証書遺言

遺言書を書いた本人が、全文を自分で書き、押印して作成します。

メリットとしては、自分一人で作成可能ということで、

費用はかからないし手続きも簡単だということです。

内容を誰にも知られたくない、という場合もこの方法がよいでしょう。

 

もちろん、デメリットもあります。

遺言書の内容に不備があれば「遺言書として認められない」可能性がありますが、

書いた本人が法律の専門家でもない限り、それを確かめる術がありません。

また、内容を誰も知らない以上、紛失したら何もわからないし、

偽造されても証明が難しいという問題があります。

普通方式②公正証書遺言

遺言を残したい本人が口述した内容を、専門家の証人2人が記述して作成します。

その原本は役場に保管されるので紛失の心配もありません。

最大のメリットは、法的に最も安全であるということです。

自筆証書遺言にあるような、遺言書作成後のトラブルも防げます。

 

デメリットとしては、

費用がかかるということと、遺言書の内容を自分だけの秘密にできないということです。

普通方式③秘密証書遺言

本人が適当な書式に記した遺言書(これはパソコン入力や代筆も可能です!)に署名・押印して2人の公証人と一緒に役場に持ち込みます。

そして、公証人立ち合いの下で役場に遺言書の存在を確認してもらいます。

メリットは内容は誰にも知られず、遺言書の存在を保証してもらうことが可能ということです。

 

デメリットは、内容が誰にも知られない分、法的に不備がある場合があること。

保管自体は本人がしないといけないことです。

特別方式遺言

普通方式との違いは、遺言書の有効期限があることです。

 

特別方式遺言は命の危険が迫っている時に作成するもので、

その危険が去って6ヶ月後も存命していれば、遺言書が無効になります。

その他に書くこと

普段なかなか伝えられない家族への思い、エンディングノートでしっかり伝えるのもよいですね。

あと、ほかに「自分史」を書くのもオススメです。

 

私は、終活とは残された人生を豊かにするものだと考えていますが、

自分史というものをこれまできちんと作ったことのある方は少ないと思います。

 

終活をきっかけに一度自分の人生を真剣に振り返ってみてください。

案外、自分の人生ってドラマティックだということに気づきます。

自分史を書くことで、今後認知症になったときにも備忘録にも使えるというメリットがあります。

・・・なんて堅苦しく考える必要はありません。

単純に面白いですよ。自分史って。

エンディングノートは無料の物で充分!

市販されているエンディングノートってたくさんありますよね。

何を使ったら良いのか悩む方もいるでしょう。

私の近所の本屋さんにも終活特集!みたいな感じで何冊もありました。

初めて見た人は困っちゃいますよね。

 

結論から言うと、「あなたが書きやすいなら、どれでも良い」です。

葬儀社に資料請求したときに、一緒にエンディングノートがもらえることもありますが、

本当にそれで充分なんです。

なぜこんなことを言うかといいますと、

エンディングノートの最大の難関は「エンディングノートを書き始めること」だからです。

 

色んなメディアでもエンディングノートについて聞いたことはある、そのメリットもある程度分かっているという方は非常に多いのです。

なのに、実際にエンディングノートを書いたことのある人は?となると途端に少なくなります。

 

そういうわけで、とにかく書き始めるためのハードルを下げましょう。

ハッキリ言いましょう。メモ帳に書くでもいいんです。

手書きじゃなくても、パソコンに書きためるでもいい。

あなたの頭の中にある考えを何らかのカタチで外に出したら良いんです。

残される家族が後で確認できるようなカタチがあれば良いんです。

遺言書じゃないから、決まりきった形式なんてありません。だからこそ気軽に書けるんです。

いきなり綺麗に書く必要はありません。たとえば

・お葬式はどうしてほしいのか?

・お墓はどうしてほしいのか?

・遺産はどうしてほしいのか?

・残される家族への思い

まずは、こういったことを考えてみることから始めるのも良いでしょう。